臨床灸法研究会 7月の北陸家伝灸めぐりに続き、今度は秋分の日 徳島・香川灸めぐりの旅。
以前から来てみたかった、徳島の民家で行われる「田中の砂灸」。

旅の僧が「弘法大師の秘法」として授けたそうです。

春分の日と秋分の日の年2回、
無病息災を願って、砂を踏んだ足形にお灸するおまじない。
なんと300年以上前からの風習だそうで、全国でこれをやっているのは多分ここだけ。
来られない人の靴下を持参すれば、その押し跡にもお灸してくれます、ということで
夫の靴下を持って行ったら、夜のニュースの時にその靴下が映っていた模様。
足袋の跡にお灸するということも無さそうだし、
きっと300年前はなかった慣習だろうけれども、面白い。
お寺とかではなく、本当にただの民家の中でやっているので
遠方からここに自力でたどり着くのがなかなか困難だけれども
今年からペットの足形にもお灸してくれるとのこと、
そのアイデアは繁盛間違いなし。


滝薬師のすり鉢灸は真言宗のお経を唱えてもらいながら艾を載せたすり鉢を頭に被る。



これが結構重くて、頸椎弱い人にはおすすめできないけど、邪気は払われる気がしますね。

すり鉢の内側に梵字らしきものが描かれていて興味深い。

五月の金刀比羅神社参拝の時に逃した「灸まんうどん」を無事食べた後は
弘法大師ゆかりの善通寺へ。

空海が生まれたというお寺で
産湯に使ったとされる井戸が残っています。

日本で3番目に高いと言う五重の塔や、
宝物殿で、焼き討ちにあって落ちた仏頭などを見学。

そして弘法大師御艾を購入。これはこのツアーに来なければ存在も知りませんでした。
御守りのコーナーには出ていなくて受付で声掛けしないと出て来ません。
このプリントの原稿の感じは昭和かしら。
鍼灸師なら一度は手に入れたいアイテムです。

なにしろ1200年前の話で、
弘法大師がこのタイプのお灸を使っていたかどうかは定かではないですが
僧侶がお灸を使うことは
信仰心も相まって、灸の効能をさらに引き上げていたと思われます。
文献によると空海の子ども時代、お寺建立前、このあたりは楠木が沢山生えていたらしいです。
樹齢1000年を越すと言われる大楠が一本 境内に残っていました。

灸法臨床研究会 浅倉さん、
毎度 このようななかなか一人では行けない旅の企画をしてくださって、
いつもありがとうございます。
