「50で合気道 初段」達成しました

40歳を過ぎた時、

もうすぐ50か、節目に何か記念を作りたいなとぼんやり考えていた頃
内田樹さんの書籍の中に
「合気道」という単語を何度か見つけて興味を持った。
それで、子どもが中学生になった46歳になってから道場に通い始めた。
今その時の自分のブログ 合気道20時間目を読んで、あはは、と笑ってしまう。
そっかそっか、毎日通うってそれだけで新鮮だったな。
今では道場通いが定着し、悪天候とか予約が早い時間に入ったとか以外は
毎朝行くのが当たり前になって、自分で自分の勤勉さに感動する時期は終わった。
若松河田町にある合気会の本部道場はガチ勢が多く、
「1月から4月まで、一日も稽古を休んでおりません」
などという人はザラにいる。(5月は緊急事態宣言で道場が閉じていた)
私も始めた頃は週7日通ってみたこともあったが
初心者ゆえの尋常じゃない体力の消耗と家事と仕事とのバランスが取れず、
無理があったので現在は週3~6日に定着した。
五級、四級、三級・・・と上がってきて、一級を取ってから一年以上。
先日の日曜日、ついに昇段審査を受けた。
計画としては梅雨入り前の五月に受けるつもりだったが
道場閉鎖で延期になってしまい、
四月の猛練習(?)を無駄にすまいと、六月は結局この四年でいちばん稽古することになった。
審査の前日までの1週間は毎日違う師範の稽古に出ていたが
ありがたい助言を次々と頂戴し、むしろ七月に受けることにして良かったと心から思えた。
五月はまだ49歳だったので、「50歳で初段」にならないしね。
合気道は勝負や試合がない型稽古。
審査は予め組んでもらう人を決めておいて、
当日その場で言われた技をひたすら相手の人にかけさせてもらう。
相手をお願いした二人は個人的にスタジオを借りての練習にも快く付き合ってくれた。
満を持して初段審査に臨んだはず・・・が、
ここで間違える?という我ながら残念なミスをしてしまい、
終わって待機の時間に久しぶりにお会いした三段の先輩に愚痴を言ったら
「演武だったら完成された型であったほうがいいが、審査は失敗してもよし。
そこから次への反省と学びがある」と慰められた。
普通に褒められるよりも、いちいち注意される方が
まだ伸び代があるんだな、と嬉しくなる不思議。
師範も失敗は大目にみてくださったようで、
今朝は道場に着くと早速
顔見知りの方々から合格おめでとうございます、の言葉をいただいた。
初段を取ったというのは
ずっと鉄棒で逆上がりが出来なかったのが、初めて逆上がりが出来た、
みたいな時に似ていると思う。
他人から見れば、何の役に立つのかと思うだろうし、
人生が劇的に変わったりもしない。
だけど、自分の日々の生活の中で積み重ねたものの成果であり、かけがいのない体験となる。
周囲からはいまだに「空手やってるんだっけ?」「太極拳はその後どう?」などと言われ続け
合気道です、といちいち言い返すのが面倒だけど
ハマると本当に、こんなに面白いものはいまだに他になくて
まさに合気道をやっている時は「マインドフルネス」、
師範の動きに少しでも近づこうと頭の中でトレースしている時、
組んだ相手の動きに上手くついていこうとする時、
他の事に思考を飛ばす余裕はない。
解決しない悩みを抱えている人、普段ついつい色々考えすぎている人は皆、
合気道をやった方がいいんじゃないかと思えてくる。
合気道を始めたと、あるお客さんに言った時、
「習い事で友達なんか作るんじゃないわよ。作ったとしてもせいぜい一人でいいのよ。
帰りにお茶してそっちの時間の方が習ってる時間より長かったりして、
結局本末顛倒になるのよ」
と助言してくださった方がいた。全くの杞憂だった。
仕事をしている人が多いのでみんなお茶して帰る時間など無いし
そんな暇があったら少しでも多く稽古しようという人ばかりだ。
とはいえ、
お互いの級が上がるたびに一緒にお祝いの食事をするような友人も出来て、
時に延々と稽古の内容について語り合ったりもする。
身体は4年前と比べて可動域が狭くなったし
常時どこかが痛いのだが
体力はまあまあ維持されている方かな。
稽古を休みたくないという理由で以前よりさらに健康に気を使うようになった。
早起きが苦手だったのに
7時の初心者稽古のクラスに出るために5時起きが日課となり、
朝起きるために23時前には就寝するようになった。
わかったのは、合気道が健康に良いのではなく、
合気道を続けるために健康でいなくてはならないのだということ。
20年早く始めていれば審査で取れる四段(五段以上は審査ではなく他の条件が必要)まで目指したいところだが、
今からだと頑張って二段、
三段以上となるとちょっと今の自分には厳しいなと思う。
日々身体を動かしていると、30代ってなんて元気だったのだろうとため息が出るが
30歳の私は多分合気道に興味を持たなかっただろう。
初段を取るというゴールに着いたが
もちろんもうしばらく合気道は続ける。
還暦過ぎても今みたいに動けるかどうかはその時の身体次第なので
とりあえず次の目標は1000回、本部道場の稽古に出ること、にした。
昔 担当していた70代のお客さんで
「僕は死ぬまでに1000回ゴルフに行くのが目標なんだよ」と仰っていた方がいた。
その時確か700回くらいに到達していたような記憶があって、
すごく素敵な目標だなあと思った。
あれから18年、
お名前こそ忘れてしまったが、1000回ゴルフ、無事達成されているといいな。
ゴルフみたいには一回の時間はかからないが、今のペースを崩さなければ
あと360回ほどで1000回道場に通ったことになるので再来年には、多分。
さて 明日からまた 気持ちも新たに稽古します!
↓ 合否は審査の三日後、だいたいいつも水曜日に廊下に紙が張り出されるのでちょっとドキドキ。

以上
高野でした。

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この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
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