甲野陽紀 さんの本
「身体は『わたし』を映す間鏡である」。
身体の話というと
鍼灸よりも合気道で考えてしまう今日この頃の私、
先月 この本の紹介を受けて読み始めたとき、
合気道で稽古していることと共通項がある、と
一気に引き込まれました。
「目の前のことを淡々とやることで気持ちにも身体にも落ち着きが生まれる」
別に落ち着いてないじゃんというツッコミが入りそうですが、
いやいや、結構真面目に淡々とやってますので
3年前とは気持ちも身体も違いますよ多分・・・。
そして昨日、九鍼研究会の午後の講座が
この甲野先生のセミナーだというので
すごく楽しみにしていました。
期待を裏切らない体験ができました!
意識の設定が大事というのは研究会代表の石原先生が
昔からおっしゃっていることですが、
その具体例を
二人一組で持った棒を押し合ったり、
肩を押して姿勢が崩れるかどうかの実験を通して
納得していくセミナー。
内容はほぼ本に書いてあることなのですが、
読んだ時は通り過ぎるようなことが、
やってみると奥深い。
「自分の意識の前提を変えると身体のパフォーマンスが変わる。」
例えば、床に平行に腕を伸ばして片足立ちして
先生が上から腕を押す。
軸足に意識がいっていると先生の手を支えられないけれども
挙げた方の足に意識を向けると
グイグイ上から押されても平気。
あ、そうか、
先日 ヨガのレッスンを初めて受けた時
何故かその場では片足で立てなかった理由がわかりました。
緊張して軸足のことばかり考えていたんですね。
それにしても、押されているときに
先生の方から「もうちょっと意識をこっちの足に、そう、できてます!」
とすぐ指導が来るのはびっくりしました。
流石、見ているだけでもわかっちゃうんだなあ。
ちなみに、この本には鍼灸の話は出てきません。
石原先生の出されている本の出版社つながりで
特別ゲストでお招きしたそうです。
でも身体の動きが手足末端の動きと連動しているのは
鍼灸で使うツボを選ぶときの考え方と同じと言えるし
マッサージでも、鍼を打つ動きの中でも役に立つだろうし、
場合によっては言葉の誘導だけで患者さんの感覚を変えるのも可能だと思われますので
鍼灸師は一読して損はないと思います。
調子に乗って、今日 意識の違いで動きが・・・と友人にやってみたけど
今ひとつ会場でやったほどには上手くいきませんでした。
雑念の多い環境下では
一動作一注意に誘導するのが難しい。
これから試行錯誤して
まずは自分自身から、もっと上手に身体を使っていこうと思います。
記念に本にサインしていただき、
面白かったね!とおしゃべりに夢中な帰り道、
私の肩に会の名前シールがデカデカと貼ったままだと
教えてくれる人は誰もいなかった・・・
家まで1時間、電車もバスも、そのままで帰ってしまいました!
昔 印堂にせんねん灸貼ったまま中央線に乗って以来の赤っ恥です。
まあそれくらい興奮が冷めやらなかったということでご愛嬌・・・。
本は治療室に置いておきます。
ご興味ある方は是非お手に取ってご覧ください。