「小さき声のカノン」を観ました

シアターイメージフォーラムでの最終日に間に合って
小さき声のカノン」を観てきました。

原発事故が、特に東京ではあまり意識されていなくなってきている気がしてなりません。
経済成長よりオリンピックより、目を向けるべきことがあるのではないか。
感覚が麻痺すること。
過去の教訓を忘れること。
恐ろしいことだと思います。
ベラルーシでは実測した土壌汚染のデータを基に、
75年分の予測地図が作成されて住民への防護対策がなされているといいます。
ベラルーシで出来ていることが日本では出来ない。
それはこれからも変わらないと思います。
東北・関東の人間が一体どのくらいの初期被曝をしたのかという重要案件も
ヨウ素が消えてしまった今ではまったく不明。
福島県で甲状腺がんが今日の段階で117人出ている事実があるにも関わらず
「今までやったことがない大規模の調査をしたので
検診をすることによって一定の患者が見つかった。放射線とは関係ない」
と、どうしてそういう結論になるのかわからない見解を語る検討委員会の会見。
子供を持つ身としてあらためて、
これで公的機関なのかと、その姿勢にふつふつと腹の底から煮えくり返るものがありますが
この映画はその問題点を糾弾することに重きをおくのでなく、
子ども達を守りたいという強い思いを実際の行動に移していく普通の人達の姿に
焦点を当てています。
食品の放射線量の測定、ホールボディカウンターの設置、
NDの野菜の配布、子ども達の保養。
やっているのは政府ではなくすべて個人。
「普通の人には大きな力があるのです」
という、ベラルーシの小児科医スモルニコワさんの言葉が心に響きました。
私も傍観や批判だけするのではなく、
小さな行動を続けようと思います。
渋谷での上映は終了してしまいましたが、まだまだ上映会は続きますので
未見の方は是非。
映画のシナリオは治療室にも置いてありますのでご覧ください。
            ☆  ☆  ☆  ☆  ☆ 
 
映画を観た日にちょうど土壌測定プロジェクトの応援募集を見つけました。
来週のアースデイ2015のブースに行ってちょこっと寄付をしてこようと思います。

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。