とにかく養老先生がまだ死ななくて良かった。
みんなそう思ってこの本を買うんだと思う。
中川医師が、養老先生が心臓手術の後にはあっさり白内障の手術を受けたり、
愛猫の腹水を抜きに1日置きに病院に連れて行ったりして、
自分の病をきっかけに
「医療からできるだけ距離を置きたい」
という考えはこれで変わった筈だと思ったのに
そうではないとご本人が言っていることには
納得できない、と。
確かに、どうしようもなく眠いとか具合が悪い、と病院嫌いの高齢者が思うのであれば
そろそろこれも寿命か、と
そのまま我慢しそうなイメージがある。
しかし養老先生はそんなことはしない。
ギリギリのところでちゃんと東大病院を受診して治療を受けて、
且つ退院してからは「もう病院には顔は出しません」とちゃっかりしている。
命をかけて首尾一貫した主張をするよりも
命は惜しい、と思って行動する方がもちろん良いに決まっているけれど。
自分が中年になってみて、今の自分が80代の人に対して思うことと、
実際に高齢者になってから考えることは
きっと全く違うだろうということくらいは想像できるようになった。
とりあえず今日の時点では80くらいまで元気に生きられたらいいかなと思っているが
70になったら90くらいまで生きたいな、
90になったら、ここまできたらせっかくだから100まで生きなきゃな、
と思っていることだろう。
データに出てこない差異とかノイズが実際の人間で
現代医療が相手にしているのは人工的な身体、
というくだりに大いに頷き、
これからもできるだけ、ノイズに耳を傾けたり
落とし穴から落ちてきた人に寄り添っていこう、と思いました。
養老先生、うんと長生きしてください。
ノイズに耳を傾ける
この記事を書いた人
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Saori Takano
「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
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