子供の観世能楽堂バックステージツアー&能楽体験ワークショップ に付き添いで行ってきました。
祖母が謡曲をやっていたので、能楽堂という場所には馴染みがあります。
会の発表会の度に足を運び、
さっぱりわからないながらも一生懸命座って(子供には静かに座っているだけで修行です)
そのご褒美にお菓子をもらう、というのがお決まりでした。
折に触れて動作や言葉の意味とか衣装とか舞台の歴史とか
祖母が熱く語っていましたが
もう今となっては残念ながらほとんど何も覚えていないという・・・
話を聞かされているだけじゃダメなんですね。
観世能楽堂は来年3月で閉場し、再来年銀座に移転するとのこと。
大人になってからはほとんど来ていないので
寂しいという気持ちはあまり起きませんが、
ふと、祖母が謡曲を始めたのは今の私と同い年くらいだったと気付きました。
祖母はそこから30年以上続けて上手になりましたが、
自然に「継続は力なり」の言葉が頭に浮かびます。
子供達がバックステージで衣装や小物を見せてもらったり
すり足を教えていただいている間、親達はひたすら座席で待つだけです。
退屈しているだろうとお気遣いいただいて
待っている間に山階弥右衛門氏自ら、能楽についての簡単な説明をしてくださいました。
最近は衣装の作り手も少ないそうですが、
野生の繭から作られた絹で作られた衣装は丈夫で、
そうでない輸入のシルクで作られた衣装はすぐ生地に張りがなくなってしまう、
なんていう話が面白かったです。
世阿弥が着用した衣装というのが現世まで残っていて
一応着られるレベルというのはあらためて驚きます。(写真はもちろんその衣装ではありません。新しいものです)
能楽師というのは30歳までひたすら修行、
やっと独り立ちできる頃には40歳になっていて婚期を逃してしまう。
炊事洗濯掃除、衣装の繕いまで自分でこなせる能楽師、最高のパートナーですよ、
どなたか興味のあるお嬢さんいたら
ご紹介ください、
と山階氏が冗談交じりに言っていましたが、
能楽師の旦那さん、憧れる~!!
何も内容を予告せずに連れて行きましたが子供にとっても楽しい経験だったようです。
どんなジャンルでも「本物の場所」というのは空気がぴりりとしていますが
そこを感じてくれたようで、良かった。
「熊野」の一部も教えていただいたようですが
「謡ってみて!」と頼んだけど「無理。」と言われてしまいましたので
どんな様子だったかは不明。
ただの付き添いといえ、
「船弁慶」の一部を鑑賞できたので
とてもお得感があるひとときでした。
観世能楽堂へ
この記事を書いた人
Saori Takano
「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。