ひとを嫌うということ

人間関係でストレスを抱えている人は少なくない。
いやだなあと思うだけで身体は硬くなり、肩こりもひどくなる。
先日も最近仕事で強いストレスを抱えているという方がいたので
内容を聞いてみたら主な原因は職場の人間関係で、
表面上は仲良くしているのだけれども陰で自分の悪口を言われている、と。
具体的に業務を妨害されるとか意地悪をされるわけではないらしいので、
ひとを“嫌う”ということ (角川文庫)をお勧めした。
キライな人が山ほどいるという著者の考え方は少し極端に思えるが
「いい人になろう」とか「人に好感を持たれるには」などの本が多い中で
「理由などなく、人は人を嫌いになる。それでいいじゃないか」と
他人に負の感情を持つことを全面肯定する内容は新鮮。
「嫌いという感情を持つのは当たり前、自然なこと、仕方ないこと」として捉える努力をすれば
相手を嫌っている自分は駄目な人間ではないか、と自分を責めることもなくなって楽になる。
自分が相手から嫌われている場合には、確かに気分はよろしくないけれども
自然災害みたいなもので不可避であるという覚悟をもって過ごせれば
どうやったら好きになってもらえるだろうと悶々とするよりよほど健康に良いだろう。
「私が何も悪さをしないのに相手から嫌われることは
私を悶え苦しませ、たえまなく思索させ、私を人間的に高めてくれる。」
「死の床であの人もいい人だった、この人もいい人だった、よりも、あの人もこの人も嫌いだった、
と思いめぐらし息を引き取る方が好ましい」
・・・!!!
嫌い・嫌われること、その感情を味わい尽くすことは人生を豊かにするという著書、
どんな人なんだろうと気になっていたら
ちょうど土曜の夕刊に「甘口ニーチェ論を蹴散らす」という見出しで出てました。

「闘う哲学者」と呼ばれているらしい・・・

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。