今年は国内のみでしたが、ちょこちょこ、本当によく旅した年となりました。
昨年、一緒にTenerifeに行った友人二人が話題にしていた熊野古道。
2004年の世界遺産登録時と比べると訪日客が約90倍以上!
今のうちに私も行こうと昨年決意し、先月1週間和歌山へ行ってきました。
予想以上に充実して、お客さんから旅行はどうだったか聞かれる度に
「めっちゃくちゃ良かったです!!!」を連発していますが、
こちらでご報告します。
【1日目】
熊野古道へのアクセスは、ガイドブックには新幹線での行き方が書いてあることが多いですが、
それでは時間がかかるので、南紀白浜空港からレンタカーを借りました。
空港から高原(たかはら)霧の里までレンタカーで走って、そこでガイドさんと待ち合わせ。
古道歩きでもスタンダードなコース、中辺路(なかへち)の滝尻王子から高原までのガイドウォーク。
歩き始めて300メートルほど登ったところで、重なり合う大岩があります。

山岳や霊地の狭い洞窟や割れ目を通り抜けて肉体と魂を浄化し、新たに 生まれ変わるという修行を胎内くぐりといいますが、ここでも女性がここをくぐれば安産するという俗信があり、
お産はとうの昔に終わってますが、生まれ変わろうと思ってくぐりました。
コース全体の歩きは時間にして3時間くらいです。

外国人とは時々すれ違うものの、混んでいる感じは全く無しで拍子抜け。
(宿泊施設は足りない状態で新たな宿が次々と建築中のようです)
暑くもなく寒くもなく。激しくも平坦すぎもしないちょうど良い山道を気持ちよく歩けました。
今回お願いしたガイドさんはゲストハウスあがえの大野さん。
たまたま私と同い年でした。地元の方なのでなんでも聞けます → ゲストハウスあがえ
宿泊は少し移動して、十津川温泉のゑびす荘へ。
至る所に生花が飾ってあり素敵なお宿でした。
ここの食事が、ありきたりな温泉ご飯ではなく、地物野菜を使ったちょっと工夫されたメニューで
印象に残る美味しい夕食でした。また機会があればここに泊まりに来たいです。


【2日目】
玉置神社へ。神社の近くまで車で行かれますが、くねくねと狭い山道を行くので
混んでいる日だと運転が慣れない私にはすれ違いが辛いです。
そういう意味ではアクセスは良くはありませんが、
この日は平日で、しかも天気が悪かったので参拝客が少なく、
巨大な杉群をじっくり眺めてきました。


午後は果無集落へ。
なんということはない田舎の風景ですが、
実はこういう場所はもうあまりないので人気なのでしょう。




途中の道が狭くてすれ違いの車が来ないかドキドキ。
Tenerifeで行ったMasca村を思い出しました。
スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」と熊野古道は提携していますが
和歌山とスペインが親和性があることをいたるところでなんとなく感じます。
夕方、十津川温泉に戻り、公共のお風呂「庵の湯」に入りました。
お湯は硫黄の匂いが強いタイプです。
川を眺めながら入る温泉に入れるのが良いです。


宿泊は近露に戻り、前日にガイドでお世話になったゲストハウスあがえにとまりました。
【3日目】その1
熊野川下り。お客が外国人ばかりでした。
狙っているわけではなく、船頭さんを簡単には増やせず、
結果、直前に希望されても予約が取れず事前に予約している訪日客ばかりになってしまうとのこと。
16キロの川下り、時間も長く
かつて上皇が眺めたであろう川からの景色を堪能できます。
途中ガイドさんが篠笛を吹いてくださいました。
プラスチックの笛でなく、従来の竹で吹ける方は五人のガイドさんのうち二名だけとのことで
ラッキーだったかも。
受付に「瀞峡めぐり」のポスターがあり、こちらはネット予約はなかったなと思って聞いてみたら今日空きがあるとのこと!
雨万歳です。
乗り場は熊野川下りとは別の船着場なのでそちらに向かいます。




【3日目】 その2
瀞峡めぐりと神倉神社
瀞峡めぐり、空いているならついでに、と思ったら、元々こちらの方が有名だったとは知りませんで、失礼いたしました。
鮎の泳ぐきれいな川で(それでも、ダムのせいで濁ってはいるらしい。
昔はもっと綺麗だったと)
両岸は巨大な岩群。
道路や看板類 一切なし。
そして最大の幸運。なんと、一人で乗せてもらいました!!!
(本来なら団体客と一緒に乗せてもらう筈だったと思うのですが、一人で
予約時間より大分早く行き、しかもたまたまその場に誰もいないのが良かったのかも)
「待たないで、今出てもいいよ」と。
この道50年以上だという船頭 佐野さん、74歳だそうですが
もう一度必ず来ますので是非ともなるべく長く続けていただきたい。
最高の体験をどうもありがとうございました!!!

予定より早く瀞峡巡りを終えられたのでそのまま神倉神社へ。
とんでもなく急な階段の上にありました。


下りたところで上品なおばさまに
「最近枯れてたけれど、今日は(鳥居の横の滝の)お水が流れてて良かったですね」
と話しかけられて、
「そうなんですか?いつもはもっと水があるんですか?」と
そのまま立ち話を気づけば1時間。
彼女が小さい頃の新宮付近の話をたくさん聞けました。
近所に「浮島の森」という植物群落が絡み合って沼池に浮かんでいるという特殊な公園があるそうで、
中でも面白かったのは、彼女のお母様が若い頃、台風だか大雨だかで、
「ある日浮島の森がなくなっていて、下流へ流されていた。みんなで引き戻した」
という話。「是非公園を見に行ってください」と言われたけれども
もう16時半で、閉園時間17時の浮島の森まで行くのはすでに難しい時間でした。
近露にはめぼしいレストランはないので
なんとしても18時前にコープに戻らないと!と暗くなった道を慌てて帰りました。
見知らぬ人と1時間もお喋りしたのは初めてかも。一人旅は忙しい。
【4日目】 百間山渓谷
果無集落からブナ林を歩くという個人ツアーが経路の土砂崩れで中止になってしまったのでゲストハウスの方からおすすめされた百間山渓谷へ。
駐車場までの車のアクセスは相変わらず私にはハード、
途中、一番道が狭くてすれ違いもできそうもないところで
電波が入らずカーナビもiphonのグーグルマップも使えなくなり、ここでもし何かあっても誰からも助けてもらえないかもと焦りましたが、
無事駐車場に車を停めて歩き始めたら、少し歩くとすぐ滝が現れてすごく良い!


暑くも寒くもなく、爽やかな滝の音を聴きながら歩くのは楽しく、何度でも来たくなるところ!
岩に座ってずっと滝を眺めていたい。

下りてから近露に戻って継桜王子を参拝し、
とがのき茶屋でコーヒーをいただいて休憩。

日暮までまだ時間があったのでよくガイドブックに載っている有名な?牛馬童子の像も見に行きました。
みんな、お金を乗せすぎです。
観光客がこんなに増える前は童子にお金が載ってることはなかったらしいですが、
傷まないか心配になります。
というわけで私は載せませんでした。

