2022 京都にて お灸を愛する2日間 2

師走に入ってしまいましたが自分の備忘録として10月のお灸ツアーの続き。

翌日の日曜日は見事に晴れて、まず午前中は

秋とは思えぬ暑さの中でお墓参りツアー。

二尊院 香川修庵墓地 → 仁和寺で医心方鑑賞 → 遣迎院 御薗意斎墓地 → 上品蓮台寺 後藤艮山墓地

という流れで、一人だったらなかなか一度には行く機会がない場所を訪問できました。

二尊院に着いたときにちょうど開門。

医心方はこの後 東京国立博物館でも見られるということでしたが、

医古文は挫折していまだに読めないので

博物館に見に行ったとしても多分この日ほどじっくり眺めないですね。

横にいらっしゃった宮川先生効果です。

御薗家のお墓はごく普通の墓地というか、お寺で鍵を借りて敷地の門を開ける形式で、知らなければ訪問できないような場所でした。

墓石に「鍼」という漢字が入ってるのを発見してちょっと嬉しかったり。「医」の字はあちこちで見られますが、「鍼」は珍しいし初めて見ました。

 

2022京都お灸ツアー2022京都お灸ツアー 後藤艮山墓地の後は猪飼先生の治療院へ移動。

お昼にまず猪飼先生のカレー。

前日の懇親会で

「知識が凄い鍼灸師はいる。臨床が凄い鍼灸師もいる。

美食家の鍼灸師もいる。

でも、それらを兼ね備えた上で、人に料理を振舞える鍼灸師は猪飼先生だけ。」と言っている方がいましたがまさにその通り。

置いてある炊飯器の大きさが並じゃない。

「僕が子どもの頃は肉なんて買えなくてね、

代わりに揚げを入れたんだよ」という思い出のカレー、

肉じゃなくて油揚げでも十分美味しいし

むしろ最近増えたビーガンの時流に乗っていますね。

「こっちも食べてや〜」という大量のおでんに入っている湯葉も

関西ならではという感じで美味しかったです。家でも湯葉、入れてみたい。

それにしても先生、2日間大忙しで

ちゃんと寝ているのか心配になりました。

 

昼食の後は念願の、猪飼先生の実技。

これ!墨灸。

先生は小さい子どもにするそうですが、デモでやっていただきました。

先生が自ら配合した漢方エキスと墨を混ぜた液体を筆でささっと身体に塗ります。

これなら子どもも嫌がるどころか

むしろ面白がるでしょう。

その日はお風呂に入らないでしばらく塗ったままにするそうです。

おまじない的な感じもしますが、塗った部分が温かくなるような気がしました。

全部落として東京に帰るのはもったいないので

顔の墨だけ拭いて帰りました。

 

火箸でツンツン、とか。

みんなで焙烙灸とか。(素焼きのお皿の上にもぐさを置いて

頭に乗せて温める)

焙烙に描いてある文字は先生直筆の梵字。かっこいい。

塩灸なんかは凄い煙なので

きよらと同様、

空気清浄機はフィルター式を使われてました。

今は製造されていない軟膏の数々。

そして打膿

大きめのお灸を据えて火傷の痕に軟膏で蓋をします。

痕が残るので、こういう場以外では今はほとんどされなくなったお灸で、

鍼灸師として私も人生一度はチャレンジ・・・とは思ったのですが

足三里あたりに痛みがあると合気道で正座の時に気になるので

今回はやめました。

稽古にあまり行かなくなったらやることにします。

打膿灸に使う無二膏はもう売っていないので

今回使う軟膏は先生達が研究会の方々と作ったオリジナル軟膏です。猪の脂で練ってあるらしい。

無い時は神仙太乙膏で代用できるそうですが

実は一缶、先生から頂きまして・・・

手に入れたからには使わないとな

と思っていたら私の話を聞いて先日、自分に打膿灸をやって欲しいという奇特な同期が現れました。

ありがたや。

実技だけでなく時々飛び出す猪飼先生の小話の方に

参考になる話がたくさんありましたが、今思い出しても本当〜に楽しかった猪飼鍼灸院のお灸研修、

次は講習ではなく患者として先生の治療を受けに行きたいと目論んでいます。

 

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。