映画 ミツバチの羽音と地球の回転

先日、渋谷 オーディトリウムにて、ミツバチの羽音と地球の回転を観てきました。
上関原発建設に反対する山口県の祝島の人達と
脱原発・脱石油を目標にエネルギー政策が進むスウェーデンでの取材を基にしたドキュメンタリー映画。
故郷と表現するような素敵な場所がない私にとっては
身体を張って守りたい美しい自然が身近にあることに羨ましさを感じると同時に
日々自分が「のうのうと」暮らしているように思われ、後ろめたい気分で鑑賞。
去年広島と山口に行った時の風景と映画の中の瀬戸内の美しさが頭の中で合体し
何故行政にこの地元の声が届かないのかという苛立ちをおぼえつつ
絶対にあきらめないおじちゃんおばちゃん達の姿勢に感動して
涙を拭きながら観ました。
以前、温灸用のびわの葉が足りなくなった時に
びわを栽培している人というのを紹介してもらって
葉っぱを送ってもらったことがあったのですが、
映画の冒頭にまさにその方が出てきて、予想外のつながりに驚きました。
そういえば、「原発反対運動をしている」「無農薬栽培をしている」と聞いた気がするけど
頭の中でつながっていなかった。
あの時にこのことを知っていればなあと思いますが、
先に知っていたところで原発が爆発する前では
どこまで自分がこの問題に本気で関心を寄せられたか疑問。
去年瀬戸内で釣りをしてみたので余計に
排水で水温が上がれば漁ができなくなるという猟師さんの言葉を、
命の問題、子供達へ残したい未来の問題、
大変重要な闘いだと考えられるようになりました。
一昨日、上関原発建設にあたっての漁業補償金を半数以上の漁師の方が受け取る決議をした、という
ショックなニュースが流れましたが、
後悔しても始まらないし、だからと言ってあきらめる必要もない。
祝島の人達の思いをビラでも本でもなく
このようなドキュメンタリー映画に仕上げた行動力に感動しました。
映画の後、階下のカフェでの鎌仲ひとみ監督を囲んでお茶を飲む場にしばし同席させてもらいました。
短い時間でしたが、穏やかな口調と笑顔から誠実で飾らない人柄と信念のようなものが滲み出ていて
本当に素敵な方でした。

パンフレットにサインをいただきましたが、何が素晴らしいって
映画の台詞が全て書かれているところ。
鍼灸院の本棚に置いておきますので、是非ご覧いただければと思います。
原発に頼らないで生活するために
東京に住む私たちがすぐにできることとして、アンペアダウン、メガバンクからの預金引き上げ、
市民による自然エネルギー事業への出資、などを教えていただきました。

バレンタイン企画のあしたのチョコレートがまだ少しあるということで
その場でいただいてきました。
監督の声を聴きながら、知ってることと実行することは違うよな、とあらためて感じたので
今年はできると思うことは片端から実践することにします。
そうそう、監督は鍼が身体に合うそうで、鍼灸に通っているらしいです。
嬉しいですね。

この記事を書いた人

Saori Takano

「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。
鍼灸治療は人対人の相性が重要だと思っています。
来院するかどうか迷っている方は
ざっと眺めていただいて参考にしてくださいませ。